Lud s03.ks

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;----- シーン03 - カット01 - ゾンビーとの戦闘

*up
*start| AM03:00 教会特区
[bg_hyojib bgb="lud_bg_s02_c03_02.png"]
[bg_kirikae]
[ se se="ludesia_se_dog01.ogg" lp="false" ]
 犬の遠吠えがさらに一度。[sl][r][ws]

[ bgm bgm="ludesia_bgm_21.ogg" lp="true" ]
[ se se="ludesia_se_fx_03.ogg" lp="false" ]
 僕は手を開く/総体の蛇の表面に演算模様が浮かび上がった。[sl]
 生成/手の中には拳銃/横を走るクルスの手にも同型の拳銃がある。[sl]
 軍隊/先を走る犬たちの先導に僕たちは従う。[pg]



[ se se="ludesia_se_run_01.ogg" lp="false" ]
[bg_hyojib bgb="lud_bg_s03_c01_02.png"]
[cross_kirikae ms="500"]
 [ font color="0xFF0066" bold="true" italic="true" ]わたしの鼻が刺激される![ resetfont ][pg]


「ゾンビーはどれだけいる?」[sl]
「八体。生き残りは、聞きたいか?」[sl][r]

 ぼかされた事実/首を振った。[sl]
 路地を突き進む。ラリーの身体にとっては狭い通路/肩をねじこむように走る。[pg]


「ゆけ、[ ruby text="ラウンダ" ]犬」[sl]
[ se se="ludesia_se_dog02.ogg" lp="false" ]
 主人と違い、犬たちは滑らかに細い路地を駆けてゆく。[sl]
 一糸乱れぬ軍用犬の群体/ラリーを今まで生き残らせてきた軍隊だった。[sl][r]
 頭上は白みつつあった。暗がりが鮮明になってゆく。教会特区の大通り、日が昇れば敬虔な信徒たちが行き交うのだろう。[pg]


[bg_hyojib bgb="lud_bg_s03_c01_01.png"]
[cross_kirikae ms="1500"]
 路地を抜けた。[pg]


 [ font color="0xFF0066" bold="true" italic="true" ]面倒な!![ resetfont ][sl][r]

 血が川のように流れていた。[sl]
 早朝礼拝を行おうとした信徒たちは倒れたまま動かない/古典的な人間の死が目の前にあった。[pg]


「[ ruby text="  ゾンビー" ]死霊め!」[sl][r]

[ mes_blind time="500" ]
[ cut_in img="lud_cu_s03_c01_01.png" time="1000"]
[ wait time="1000" ]
[ mes_appear time="500" ]
 ゾンビーは動きも鈍く思考力すらない/けれど、肉体を完全に破壊されない限り動き続ける。[sl]
 ゾンビーたちは腕がない/頭部がない/まともな形をなしているものがない。[sl][r]

[ cut_in_clear time="500"]
 [ font color="0xFF0066" bold="true" italic="true" ]何よりも魂がない![ resetfont ][sl]
[ se se="ludesia_se_sceen01_cut02_yao_gunshot.ogg" lp="false" ]
 クルスは引き金を引く。頭部が吹き飛んだ。ゾンビーは立ったままでいる。[sl]
 ゾンビーの身体がクルスの方を向く。[pg]


[ font color="0xFF0066" bold="true" italic="true" ]死肉どもめ![ resetfont ][sl]
 脳を吹き飛ばされている/何をどう判断しているのか。[pg]


[ cut_in img="lud_cu_s03_c01_01.png" time="1000"]
「[ ruby text="          ハ ウ ン ド" ]追いかけ回せ!」[sl][r]
[ se se="ludesia_se_dog02.ogg" lp="false" ]
[ qk time="1000" ]
 ラリーの命令が[ ruby text="  ラウンド" ]循環[ws][ se se="ludesia_se_gun_dog.ogg" lp="false" ]/犬たちの一斉射撃。[sl]
 火線がゾンビーたちを飲みこむ/[ se se="ludesia_se_hit_01.ogg" lp="false" ]腕が真上に飛んだ/死霊たちがすっころんだ。[sl]
 けれど、戦闘不能に陥ったものは一体もない。[sl]
[ se se="ludesia_se_gun_01.ogg" lp="false" ]
 ゾンビーは手にしていた銃で反撃/[ se se="ludesia_se_swing_02.ogg" lp="false" ]犬たちは着弾点から飛び退いた。[pg]


[ cut_in_clear time="500"]
 [ font color="0xFF0066" bold="true" italic="true" ]音楽に参加しなければ![ resetfont ][sl]
 クルスが歯を食いしばる。唇の両端から涎が垂れる。上半身が獲物に食らいつく獣のように前に傾いてゆく。[pg]


「クルス!」[sl]
 手を伸ばした。[sl][r]

「ヤオ」[sl]
 彼女の瞳が迷いに揺れる/指輪から伸びた糸が明滅/クルスの表情から[ ruby text="  どうもう" ]獰猛さが失せてゆく。[sl][r]

「バルルルルルルルルル!」[sl]
 その前にクルスの僕の手から顔を背けた。[sl][r]

[ se se="ludesia_se_chainsaw_attack_03.ogg" lp="false" ]
「バルルルルルルルルル!」[sl]
 僕の手を拒絶/少女の唇から重たいエンジン音が響く。[pg]

[ se se="ludesia_se_chainsaw_attack_02.ogg" lp="false" ]
 [ font color="0xFF0066" bold="true" italic="true" ]とてもとても響くだろう![ resetfont ][sl]
 連続する振動/チェインガンの刃全体から火花が散った。[sl][r]

[ mes_blind time="300" ]
[ se se="ludesia_se_chainsaw_attack_03.ogg" lp="false" ]
[ cut_in img="lud_cu_s03_c01_04.png" time="500"]
[ mes_appear time="300" ]
「バルルルルルルルルル!」[sl]
 クルスは飛び出した。[pg]

[ cut_in_clear time="300"]
「先走るな!」[sl]
 叫ぶ/伸ばした手には何もない。[sl]
 僕とクルスをつなぐ糸/光はかすれて消えてしまいそう。[sl]
 泣き言ばかりの僕/結ばれていた魂は遠く離れていた。[pg]

「クルスを先行させるな!」[sl]
 ラリーの大声/戦場で棒立ちになる愚か/我に返った/救いがたい現実に立ち返った。[pg]


「[ ruby text="    パイルバンカ" ]杭打ち」[sl]
 背の棺に手を伸ばし、手を沈める。[sl]
[ se se="ludesia_se_pilebunker_trans_02.ogg" lp="false" ]
[ cut_in img="lud_cu_s03_c01_02.png" time="300"]
 手の中に感触が発生/[ ruby text="    パイルバンカ" ]杭打ちが生成。[sl]
 対戦車砲に近しい貫通力を持つ杭を装填、僕はクルスを追いかける。[pg]

[ cut_in_clear time="300"]
[ se se="ludesia_se_sword_step_01_r.ogg" lp="false" ]
「バルルルルルルルルル!」[sl]
 [ font color="0xFF0066" bold="true" italic="true" ][ ruby text="  しびと" ]死人が淑女の前に立つな![ resetfont ][sl][r]

 クルスは頭から手近の[ ruby text="  ゾンビー" ]死霊に突っこんだ。[sl]
[ se se="ludesia_se_chainsaw_attack_03.ogg" lp="false" ]
[u_trans_black storage="lud_tr_slash_01a.png" rule="lud_tr_slash_01b.png" layer=0 time=80]
 彼女の身長より大きなチェインガンを横薙ぎに振るう/超振動する刃が触れた/[ se se="ludesia_se_hit_02.ogg" lp="false" ][ ruby text="だいだい" ]橙の火花/それから紫のスパーク。[sl][r]

 [ font color="0xFF0066" bold="true" italic="true" ]眼が覚めたろう![ resetfont ][sl]
 電撃/虚ろな眼球が飛び出した/できあがった空洞からスパークが吹き出した。[sl]
[ mes_blind time="300" ]
[ cut_in img="lud_cu_s03_c01_05.png" time="300"]
[ mes_appear time="300" ]
 クルスは崩れ落ちる怪物を振り返りもしない。次の獲物を目がけて直進する。[pg]


[ cut_in_clear time="300"]
「クルス!」[sl]
 直線ゆえのクルスは、脇が見えない。[sl]
 クルスの背後/のろい動き/それでもゾンビーの銃は正確にクルスの後頭部に標準を定めていた。[sl]
 クルスは気づかない。[pg]


「腕だ!」[sl]
[ se se="ludesia_se_swing_01.ogg" lp="false" ]
[u_trans_black storage="lud_tr_atk_04a.png" rule="lud_tr_atk_04b.png" layer=0 time=80][ws]
[ se se="ludesia_se_dog_kamituki.ogg" lp="false" ]
 犬が腕にかぶりついた。もう一頭が銃にかじりついた。[sl]
 牙がクルスのチェインソー同様に振動/[ se se="ludesia_se_hit_03.ogg" lp="false" ]銃を噛みちぎった。[sl]
 ゾンビーの腕が動く/腕に噛みついた犬が吹き飛ぶ。[sl][r]

「くっ!」[sl]
 魂の共有された身体/ラリーの腕から血が噴き出した。[sl]
 生命維持に必要な最低限のぶんを残して魂をラリーへ転送/もがいていた犬は途端に動きを止める。[pg]


「ラリー!」[sl][r]

[ cut_in img="lud_cu_s03_c01_02.png" time="100"]
 魂の記憶/[ ruby text="    パイルバンカ" ]杭打ちを構えていた/
[ cut_in_clear time="100"]
[ se se="ludesia_se_pilebunker.ogg" lp="false" ]
[ cut_in img="lud_cu_s03_c01_05.png" time="100"]
 クルスの心臓めがけ、[ ruby text="パイル" ]杭を撃つ。[sl]
 杭がクルスの背中へと向かってゆく。[sl]


[ cut_in_clear time="100"]
 スパイダリング/スクレイピング/かつての僕たちに立ち戻る。[pg][ wait time="300" ]


 [ font color="0xFF0066" bold="true" italic="true" ]殺す気か![ resetfont ][sl]
[ se se="ludesia_se_scen01_cut05_ludesia_down.ogg" lp="false" ]
 そうはならなかった/クルスは身を伏せる/彼女の頭上を通り過ぎる。[sl][r]
[ se se="ludesia_se_hit_03.ogg" lp="false" ]
 杭はクルスの真正面にいたゾンビーの右肩に食いこんだ。[sl]
 杭は接触面からゾンビーの情報を入手/組成の変更/高性能爆薬へ相転移。[sl]
[ qk time="400" ]
[ se se="ludesia_se_bom_01.ogg" lp="false" ]
 起爆/ゾンビーの左腕が吹き飛んだ。[pg]


[ char_c tatie="lud_st_cruth_05.png" ]
 [ font color="0xFF0066" bold="true" italic="true" ]どうしてヤオはわからない! あのころのわたしたちはもういない![ resetfont ][sl]
 クルスが振り返った/僕への怒り/指輪を結ぶ糸がまた消えかける。[sl]
[ char_all_clear ]
 僕は最善を選んだ/クルスは僕を否定する/一人で戦うなんて最悪の戦闘手段にしがみつく。[pg]


「何をしている!」[sl]
 無事なゾンビーの右腕/クルスの背中を叩く。[sl][r]

「があああっ!」[sl]
 かろうじて飛び退いた/軽量なクルスの身体はそれでもあっけなく宙に浮き、顔から地面に落ちる。[sl][r]

「お嬢ちゃん!」[sl]
[ se se="ludesia_se_shotgun.ogg" lp="false" ]
 ラリーのフォロー。棒立ちのクルスに襲いかかるゾンビーを、[ se se="ludesia_se_hit_03.ogg" lp="false" ]ラリーの散弾が打ち倒す。[sl]
 ゾンビーへの対策/身体の大半を動作不能にまで追いこむ必要性/大口径の銃/あるいは[ ruby text="    ショットガン" ]散弾銃の流行。[pg]

「くうっ!」[sl]
 同期される苦痛/僕は立ち上がるクルスをにらむ。[sl]
 すりむいたクルスの横顔/かつての再生はない/しかし痛みは分かち合わなければならない。[sl][r]

[ char_c tatie="lud_st_cruth_05.png" ]
「どうして、ヤオはわかろうとしない」[sl]
[ char_all_clear ]
「どうしてわからないって」[sl]
 かつての僕たち/クルスの否定が僕を打ちのめす。[sl]
 [ ruby text="    パイルバンカ" ]杭打ち/クルスのために特化された武器/今や巨大なだけで非効率に成り下がりつつあった。[pg]


「ヤオ!」[sl]
[ se se="ludesia_se_pilebunker.ogg" lp="false" ]
 腕が動いていた/杭をゾンビーに打ちこんだ/[ se se="ludesia_se_hit_zonbi_01.ogg" lp="false" ]今度は全身を吹き飛ばした。[pg]

「どうしてだって?」[sl]
 気づいてしまう/僕もかつての僕たちを忘れつつあった。[sl]
 過去/ゾンビーなど首をもぐだけの、敵とも見なしていない存在だった。[sl]
 けれど今は、不意を突かれれば殺されかねない。[sl][r]

 [ font color="0xFF0066" bold="true" italic="true" ]狼の時間に、なんていう泣き言![ resetfont ][sl]
 僕は泣き言を垂れ流している/この思考がクルスに届くことを理解している/横たわる溝の深さを広げてゆくことも理解していた。[sl][r]

 [ font color="0xFF0066" bold="true" italic="true" ]お黙りなさい! 畜生![ resetfont ][pg]


「ちくしょう!」[sl]
 [ ruby text="    パイルバンカ" ]杭打ちに杭を装填/駆けだした/誰だっていい/なんだっていい。[sl]
 ゾンビーが振り向いた/[ se se="ludesia_se_gun_01.ogg" lp="false" ]銃を撃ってきた/顔をかすめた/ちくしょう![sl][r]



 体当たりめいた接近/[ ruby text="    パイルバンカ" ]杭打ちをトンファーに見立てて振り回す/[ se se="ludesia_se_kick_01.ogg" lp="false" ][ qk time="300" ]ゾンビーの頭部を殴った/よろめいた。[sl]
 杭打ちを逆手につかむ/吸血鬼にそうするように、[ se se="ludesia_se_slash.ogg" lp="false" ]倒れたゾンビーの胸部に杭打ちを突き刺した。[sl]
 一人で戦う僕は、かつての最善からほど遠い。[pg]



[bg_hyojib bgb="lud_bg_s03_c01_01.png"]
[ char_c tatie="lud_st_lalie_01.png" ]
「お客さんだ」[sl]
 ラリーが言う/倒れた信徒の身体が起き上がり、うつろなゾンビーの眼がこちらを向く。[sl][r]

[ char_c tatie="lud_st_lalie_02.png" ]
「病気持ちがいたらしいな」[sl][sl]

[ char_all_clear ]
[ cut_in img="lud_cu_s03_c01_01.png" time="100"]
 ウイルスが脳を操作/ゾンビーにやられた信徒が起き上がる/焦点のズレた眼がこちらを見つめ返す。[pg]


「俺はどうなってしまった、しまった、しまったたたたたたた」[sl][r]

 限りなく肉声に近しいサンプリング音声/発せられる内容は人間が吐き出す呪詛だった。[sl]
 半分になった頭部/口のみが動き続ける/顔は視覚情報を取り込むカメラ程度の価値しかないことを証明している。[sl]
 見せかけ/首から下は細く、走ることすら難しいのではないかと思える。[sl]
 内実/厚さ一センチの鉄板を紙同然に引き裂くことを可能とする人工筋肉からできた機械体だ。[pg]

[ cut_in_clear time="200"]
[ char_c tatie="lud_st_lalie_05.png" ]
「実力のない小僧がゾンビーになっちまったか」[sl]
 [ font color="0xFF0066" bold="true" italic="true" ]怪物め。[ resetfont ][sl][r]

[ char_all_clear ]
 ラリーが舌打ちする/クルスがチェインガンの刃先を向ける。[sl]
 外在魂/魂を抜き出し、退避させることで肉体を捨てた。[sl]
 外在魂/肉体すべてを機械に置き換え、人間という種を超えた性能を手に入れた。[sl]
 魂の分離が生み出した[ ruby text="  フリークス" ]怪物/閉鎖施設ルーデシアにおいて台頭した、人類の新たな進化形の一つだ。[pg]


「動かない、動かせないいいいいいい」[sl][r]

 言葉と矛盾、フリークスが突っこんでくる。[sl]
 理性に欠ける突進/電子的か細菌によるダメージか、フリークスの身体は操作権限が完全に奪われている。[pg]


 [ font color="0xFF0066" bold="true" italic="true" ]武器もなしになんたる無謀![ resetfont ][sl][r]

 クルスのコート/上半身部分が硬質化/引きつけ、真横からのチェインガンで腰を切り飛ばそうとする。[sl]

 出し抜けにフリークスの姿が霞む/一度のステップで数メートルを移動し、[ se se="ludesia_se_chainsaw_attack_03.ogg" lp="false" ][u_trans_black storage="lud_tr_slash_01a.png" rule="lud_tr_slash_01b.png" layer=0 time=80]クルスのチェインガンを空振りさせた。[sl]
 コートの補助/高分子反応による人工筋肉がクルスの剣撃を加速されていた。[pg]


 [ font color="0xFF0066" bold="true" italic="true" ]小賢しい![ resetfont ][sl][r]

 フリークスの動きはクルス上回っていた。[sl]
[ se se="ludesia_se_sword_step_01_c.ogg" lp="false" ]
 突進/下支えをする強化された肉体がクルスに飛びかかる。[sl]
 突き出されるフリークスの跳び蹴りに反応しきれない/単独のクルスにはなすすべがない。[sl][r]

 僕の身体は動かないでいた。[sl]
 かつての僕ならば/僕たちならば。[pg]


 [ font color="0xFF0066" bold="true" italic="true" ]黙れ![ resetfont ][sl][r]

 過去の拒否/[ se se="ludesia_se_swing_03.ogg" lp="false" ][u_trans_black storage="lud_tr_atk_01a.png" rule="lud_tr_atk_01b.png" layer=0 time=80]クルスはかろうじて首を振って蹴りをかわす/風圧で頬の皮膚が裂けた。[sl]
 理性に欠けた配慮/フリークスは周囲に配る意識を持ち合わせていない。[sl]
[ se se="ludesia_se_pilebunker.ogg" lp="false" ]
 [ ruby text="パイル" ]杭/横合いからフリークスの肩口を撃つ/[ se se="ludesia_se_hit_03.ogg" lp="false" ]空中にいるフリークスの右腕が粉砕されて。[pg]


「惜しかったな、小僧」[sl]
[ se se="ludesia_se_gun_dog.ogg" lp="false" ]
 犬たちの一斉射撃が首から下を吹き飛ばす。[sl]
 首から顎までしかない頭部が転がる/人工筋肉の動力となる溶液が飛び散る/破片群があちこちにばらまかれてゆく。[pg]


「俺の、俺のののの身体ががががが」[sl]
 怪物は、不死だった。[sl]
 首から上/顎と口だけが転がっている/ひっきりなしにしゃべり続ける。[pg]


「まともに、身体がまともに動けばお前たちなんかかかか」[sl]
 破壊された機械の身体/破片がフリークスの言葉にあわせてかすかに振動する。[sl]
 魂を分離した身体/獲得された不死性/[ ruby text="  フリークス" ]怪物はいくら破壊したところで死ぬことはない。[sl]
 主人の動きと同調してうごめき続ける生体素材/ゾンビーや、機械による規則性からはほど遠い、人間を感じてしまう動きだった。[pg]


 [ font color="0xFF0066" bold="true" italic="true" ]打ち倒そう! 一切合切を食いちぎろう![ resetfont ][sl]
 死ぬことのない姿/おぞましさがクルスを突き動かす/犬のように舌を出して、呼吸していた。[pg]


「ヤオ坊ちゃんは、こいつの居場所がわかるか?」[sl]
「性能の劣化を覚悟で、遠距離から操作しているんだろう。コザクラでもいなければわからない」[sl]
「だそうだ。クルスお嬢ちゃんの提案もそれなりに魅力的だが、問題は押しこみ強盗の方だ」[pg]


[ se se="ludesia_se_computer_01.ogg" lp="false" ]
<――通信/メッセージ/教会特区>[sl]
 聖堂に死霊が侵入した。[sl][r]

[ se se="ludesia_se_computer_01.ogg" lp="false" ]
<――メッセージを開封/要点のみ抽出/なんとかしろ!>[sl][r]

[ char_c tatie="lud_st_lalie_05.png" ]
「わかりやすくて結構なことだ」[sl]
 取り囲まれた/ゾンビーたちが包囲を狭めてくる。[pg]


「どうする」[sl]
[ char_c tatie="lud_st_lalie_01.png" ]
「ヤオ、クルス、お前たちは助けにゆけ」[sl]
[ char_c tatie="lud_st_cruth_02.png" ]
「ラリーは」[sl]
 問うたのはクルスだ。眼にはわずかな時間しか続かない理性。[sl]
[ char_c tatie="lud_st_lalie_02.png" ]
「俺みたいな超一流がどうにかなると思っているのか、クルスお嬢ちゃん」[sl]
[ se se="ludesia_se_fire.ogg" lp="false" ]
 ラリーはジャケットの内側からパイプを取り出し、火をつけた。[sl][r]

[ char_all_clear ]
「ゾンビーなんて簡単なもんだ。動きがのろいからな。それに」[sl]
「それに?」[sl]
「今のお前らは、同士討ちをやらかしてしまいそうで、危なっかしい」[pg]


 [ font color="0xFF0066" bold="true" italic="true" ]ヤオ。[ resetfont ][sl]
 クルスが問うてくる/思考は僕の役回り/未だに残り続けるもの。[sl][r]

「片付いたら、すぐ戻ってくる」[sl]
 僕は小聖堂へと走り出した/クルスは何も言わずについてくる。[pg]
[ fadeoutbgm time="1500" ][wb]

[bg_hyojib bgb="bg_black.png"]
[cross_kirikae ms="2000"]

;----- シーン03 - カット02 - 慈善院[sl]


*start| AM03:15 救護院

[ position layer=message0 page=back frame="" opacity=0]
[ mes_blind time="50" ]
[bg_hyojib bgb="lud_in_s03_c02.png"]
[cross_kirikae ms="1000"]
[ wait time="2000" ]
[bg_hyojib bgb="bg_black.png"]
[cross_kirikae ms="500"]
[ wait time="1000" ]
[ position layer=message0 page=back frame="" opacity=64]
[ mes_appear time="50" ]

[bg_hyojib bgb="lud_bg_s03_c02_01.png"]
[cross_kirikae ms="2500"]
[ bgm bgm="ludesia_bgm_11_ludesia.ogg" lp="true" ]
 内部は暗い。[sl]
 教会特区の信徒は旧世代の暮らしを模倣する。壁のいたる場所に火を使うランプ/古めかしい形/けれど、内部は数千時間は燃焼可能な特殊燃料。[sl]
 [ font color="0xFF0066" bold="true" italic="true" ]もっと光を。[ resetfont ][sl][r]


「死にかけているように聞こえるね」[sl]
[ char_c tatie="lud_st_cruth_01.png" ]
「ヤオなら言うと思った」[sl]
[ char_all_clear ]
 クルスにうなずいた。[sl]
 僕はランプに糸を伸ばす/[ se se="ludesia_se_fx_04.ogg" lp="false" ]建物の照明システムに侵入。[pg]


[bg_hyojib bgb="lud_bg_s03_c02_01b.png"]
[cross_kirikae ms="2500"]
明かりが点った。[pg]


 [ font color="0xFF0066" bold="true" italic="true" ]畜群の匂いがするのね。[ resetfont ][sl][r]

[ se se="ludesia_se_walk.ogg" lp="false" ]
「いい皮肉だ」[sl]
 照明は薄暗さを打ち消すことはできないでいた。壁は薄汚れ、合成樹木でできた床には土で汚れた足跡とホコリが残っていた。空気には朽ちた生物の匂いが混ざっている。[sl][r]
[ char_c tatie="lud_st_cruth_02.png" ]
「本当にこんな場所で人間が暮らしている?」[sl]
「耐えることが神への忠誠なのかもしれない」[pg]


[ char_all_clear ]
 信徒たちの住居というよりは、貧民への救護院だ。[sl]
 足下にプラスティックの容器/こぼれた麺と汁が飛び散っていた。[sl]
 食べ物の味と匂いは成分は家畜への配合飼料そのもの/人間も家畜も同じ生きもの同じ食べ物をだからという理由/素晴らしい合理化。[pg]


 [ font color="0xFF0066" bold="true" italic="true" ]家畜のいびきが聞こえないな。[ resetfont ][sl][r]

「ゾンビーもだ」[sl]
 救護院の床には食いかけの合成食料の中に、点々と腐敗した生体組織/機械の欠片が転がっていた。[sl][r]

[ char_c tatie="lud_st_cruth_04.png" ]
「意外とはしっこい」[sl]
[ char_all_clear ]
 ゾンビーは身体の崩壊に気づかないまま、うろつき回っているはずだった。[sl]
 クルスはチェインガンの駆動音を消した/胸に突き刺すようにする/チェインガンがコートの内側に沈んでゆく。[pg]


[ char_c tatie="lud_st_cruth_04.png" ]
「そんなデカいモノをぶら下げているつもり?」[sl]
 クルスはコートの内側から拳銃を引き抜く/両手に構えた。[pg]


[ char_all_clear ]
 [ font color="0xFF0066" bold="true" italic="true" ]貴方が鼻をひくつかせる時間。[ resetfont ][sl]
 ずいぶんな言われようだ。僕はクルスにうなずいて、眼を閉じる。[sl][r]

「どれくらいかかる?」[sl]
 クルスは僕の側に立ち、周囲を警戒する。[sl]
「すぐに」[sl]
 僕は[ ruby text="    パイルバンカ" ]杭打ちを肩に引っかけるようにした。[ se se="ludesia_se_pilebunker_trans_02.ogg" lp="false" ][ ruby text="    パイルバンカ" ]杭打ちが棺の形に変形し、背中に収まった。[sl]
 身体から力を抜き、深く吐息して。[pg]




[ se se="ludesia_se_fx_spidering_01.ogg" lp="false" ]
[bg_hyojib bgb="lud_ev_s03_c02_02.png"]
[cross_kirikae ms="1000"]
「限定世界の搾取」[sl]
 世界から情報を収集する糸/[ ruby text="        エレガンストリングス" ]線虫弦たちがコートから射出/数万本の糸たち/糸群体は相互通信を行い、莫大な環境世界に存在する情報を集めてゆく。[pg]


[ se se="ludesia_se_computer_01.ogg" lp="false" ]
<――情報取得率、九割を突破>[sl]
 視覚野に複数のモニタウィンドウが描画された。一階から最上階までの映像が視界いっぱいに展開される。[sl][r]

「これだけの情報を扱うのは久しぶりだから、まだ慣れない」[sl]
 糸たちから制圧完了のメッセージ/僕は小聖堂の情報すべてを握った。[sl]
 指輪を通じて情報を転送/クルスは眼を閉じて情報を咀嚼する。[sl][r]

 クルスから情報の取得/彼女の視界が僕の視界に重なり、ぼやける/微調整して視界をクリアにする。[sl]
 [ font color="0xFF0066" bold="true" italic="true" ]死霊どもが雁首を揃えているぞ。[ resetfont ][pg]


[ mes_blind time="300" ]
[ cut_in img="lud_cu_s03_c02_01.png" time="500"]
[ mes_appear time="300" ]
「死霊たちはまだ獲物を探している」[sl]
 視界に地図を表示する。[sl]
 ゾンビーを示す光点は、約三十メートル頭上の地点を移動していた。[sl][r]

[ cut_in_clear time="200"]
[bg_hyojib bgb="lud_bg_s03_c02_01b.png"]
[cross_kirikae ms="500"]
「片をつけてしまいましょう」[sl]
 ゾンビーにも苦戦を強いられる現実/僕はクルスをとどめようと口を開いた。[pg]


 [ font color="0xFF0066" bold="true" italic="true" ]ヤオ、今度は背中を撃つような真似はしないで。[ resetfont ][sl][r]

「僕は基本戦略を選んだ」[sl]
 口にされたのは、未練がましい過去だった。[sl]
「昔は基本戦略、だった」[sl]
「だったら今ははどうなんだ。その基本戦略をとやらをクルスは使っている」[sl]
「余計なことを言わないで」[sl][r]

 [ font color="0xFF0066" bold="true" italic="true" ]恨みがましいことをいいやがって![ resetfont ][pg]

[ se se="ludesia_se_fx_04.ogg" lp="false" ]
[ fadeoutbgm time="1500" ]
 狭い廊下/武器の交換/コートからクルスと同型の拳銃を生成する。[sl]
[wb]
[ bgm bgm="ludesia_bgm_21.ogg" lp="true" ]
 情報が更新される/小聖堂は旧世代の建築物に換算して十階以上の高さがある。[sl]
 僕の蜘蛛の糸は、リアルタイムに情報をかすめ取りつづける。[pg]


[ cut_in img="lud_cu_s03_c02_01.png" time="200"]
 [ font color="0xFF0066" bold="true" italic="true" ]足りない頭を働かせたらしいわ。[ resetfont ][sl]
 クルスが状況の変化を口にする/救護院の立体地図を視界に描画する。[sl]
 十階の地点/地図にゾンビーを示す光点が重なった。[pg]


「見つかったか」[sl]
「聖堂に立てこもっているみたい」[sl]
 ゾンビーたちの現在位置から少し離れた場所/信徒たちの生き残りを示す光点が弱々しく点滅する。[sl][r]

[ cut_in_clear time="300"]
「階段を上っている時間はない」[sl]
[ char_c tatie="lud_st_cruth_03.png" ]
 [ font color="0xFF0066" bold="true" italic="true" ]抱かれろと言うのか?[ resetfont ][sl]
 クルスに差しのばした手/クルスは僕をにらむ。[sl][r]

「ルーデシアのためなんだ」[sl]
[ char_c tatie="lud_st_cruth_04.png" ]
 [ font color="0xFF0066" bold="true" italic="true" ]子供を引き合いに出すなんて、ヤオは卑怯な父親。[ resetfont ][pg]


[ char_all_clear ]
「なんとでも言ってくれ」[sl]

[ se se="ludesia_se_scen01_cut05_ludesia_down.ogg" lp="false" ]
「っ!」[sl][r]

 [ font color="0xFF0066" bold="true" italic="true" ]ちょっと、淑女の抱き方をわきまえて![ resetfont ][sl]
 聞く耳持たない/抱き寄せた。[pg]

[ se se="ludesia_se_spider.ogg" lp="false" ]
「[ ruby text="    レディ・スパイダ" ]糸実体」[sl]
 糸群体が物質化/張り巡らされていた線虫弦たちが束となった/僕の右手首に巻きついた。[pg]

「ふっ!」[sl][r]

[ mes_blind time="500" ]
[bg_hyojib bgb="lud_ev_s03_c02_01.png"]
[cross_kirikae ms="1000"]
[ mes_appear time="500" ]
 クルスの身体を抱きかかえた。[ se se="ludesia_se_jump_01.ogg" lp="false" ][ qk time="300" ]床を蹴った。[sl]
 糸実体の組成/ゴムのように物質化した糸が収縮/僕たちの身体を真上に引きあげる。[pg]


[bg_hyojib bgb="lud_bg_s03_c02_01.png"]
[bg_kirikae]
 一度の跳躍で踊り場まで移動した。[ se se="ludesia_se_scen01_cut05_ludesia_down.ogg" lp="false" ]床[ qk time="200" ]に着地。[sl][ wait time="300" ]
「[ ruby text="  リレー" ]継体」[sl][ wait time="300" ]
[ se se="ludesia_se_jump_02.ogg" lp="false" ]
 [ qk time="300" ]する前に真横の壁を蹴った。[sl][r]

 役目を終えた手首の糸がほどける。[sl]
[ se se="ludesia_se_spider.ogg" lp="false" ]
 階段の上から硬質化した糸が、再びバトンを渡すように僕の手首に巻き付いた。[sl][r]

[bg_hyojib bgb="lud_ev_s03_c02_01.png"]
[bg_kirikae]
 収縮/跳躍を続行/ふたたび僕たちを斜め上へと引き上げてゆく。[sl]
[ se se="ludesia_se_jump_01.ogg" lp="false" ]
 [ qk time="300" ]壁を蹴った/壁に着地した/壁を蹴った/天井に着地した/跳躍する。[sl]
 糸から糸へ/素を伝い歩く蜘蛛のように/一度も床に着地することなく、壁だけを足場として上へ進んでゆく。[pg]

[bg_hyojib bgb="lud_bg_s03_c02_01.png"]
[bg_kirikae]
[ se se="ludesia_se_jump_02.ogg" lp="false" ]
[ qk time="300" ]
 八階。[sl]
 [ font color="0xFF0066" bold="true" italic="true" ]いいぞ、飛び回るのはいつだって気分がいい![ resetfont ][pg]


[bg_hyojib bgb="lud_bg_s03_c02_01.png"]
[ bg_kirikae ]

 九階。[sl]
[ se se="ludesia_se_jump_03.ogg" lp="false" ]
[ qk time="300" ] 壁を蹴った。[sl]
 [ font color="0xFF0066" bold="true" italic="true" ]民草が喰い殺されようとしている![ resetfont ][sl][r]

[ cut_in img="lud_cu_s03_c02_01.png" time="300"]
 出し抜けに視野に画像が展開した/荒れた画質の中、ゾンビーが巨大な扉の前にひしめいていた/白い煙が上がる/強酸によって扉の鍵を溶かしていた。[pg]


[ cut_in_clear time="300"]
「死霊が肉にありつこうとしている!」[sl]
「言われなくても!」[sl]
[ se se="ludesia_se_jump_01.ogg" lp="false" ]
[ qk time="300" ]
 壁を蹴った。[pg]


;----- シーン03 - カット03 - ノエシス/ノエマとの再開[sl]
[bg_hyojib bgb="lud_bg_s03_c02_01b.png"]
[ bg_kirikae ]
[ se se="ludesia_se_scen01_cut05_ludesia_down.ogg" lp="false" ]
[ qk time="300" ]
 十階/初めて床に降り立った。[pg]


 [ font color="0xFF0066" bold="true" italic="true" ]頬を張られたくなければ、次はもっと優しく抱くんだな![ resetfont ][sl][r]

 クルスが僕の腕から離れた/[ se se="ludesia_se_run_01.ogg" lp="false" ]廊下を駆け出す/僕はクルスの背中を追う。[sl]
 聖堂建築の典型/廊下のちょうど中間地点に巨大な扉/礼拝を行う礼拝堂。[sl]
 扉からは濃硫酸の刺激臭/扉が閉まりかけていた。[pg]

 [ font color="0xFF0066" bold="true" italic="true" ]畜生![ resetfont ][sl][r]
[ se se="ludesia_se_jump_01.ogg" lp="false" ]
 クルスが床を蹴った。糸実体の助けなしに、[ se se="ludesia_se_scen01_cut05_ludesia_down.ogg" lp="false" ]扉の反対側の壁に着地した。[sl]
 壁を地面代わりにしたクルスが前を向いた。彼女の目の前には扉があった。[pg]

[bg_hyoji bg="bg_black.png"]
[ cut_in img="lud_cu_s03_c01_04.png" time="100"]
 [ font color="0xFF0066" bold="true" italic="true" ][ ruby text="    ガールズロック" ]突撃![ resetfont ][sl][r]
[ cut_in_clear time="50"]
[ fadeoutbgm time="1000" ]
[ qk time="1500" ]
[ se se="ludesia_se_door_break.ogg" lp="false" ]
 壁を蹴った/扉を蹴破った。[sl][r][wb]


[bg_hyoji bg="lud_bg_s03_c02_03.png"]
 破壊された扉が彼女の足下で砕け散った/女性の悲鳴がいくつもあがる。[sl]
[ se se="ludesia_se_scen01_cut05_ludesia_down.ogg" lp="false" ]
[ cut_in img="lud_cu_s01_c02_09.png" time="300"]
 着地と同時、クルスの手に握られた拳銃が獲物を探して。[pg]

[ cut_in_clear time="200"]
[ bgm bgm="ludesia_bgm_04_reihaimae.ogg" lp="true" ]
「なんていうことなの」[sl]
 [ font color="0xFF0066" bold="true" italic="true" ]なんてこった。[ resetfont ][sl][r][r]

 数人の信徒が倒れ伏したまま動かない/生き残った信徒たちは壁際で肩を寄せ合う。[pg]


「クルス!」[sl][r]

 クルスに追いついた僕/呼吸が止まった。[sl]
 クルスから流れいる情報/流れこむ過去。[sl]
 銃口の先にいるものに、僕たちは眼を見開いたままでいる。[pg]


「貴様たちは」[sl][r]

 ゾンビーたちは原型をとどめなくなるまでに破壊されていて。[sl][ wait time="300" ]
「死霊たちは片付いた」/「けれど、愛しき信徒たちすべてを救うことはできなかった」[sl][ wait time="300" ]
 けれど、僕はクルスが目の前のソレによって、一切がどうでもよくなったのだと理解した。[pg]


 聖堂は本来の役割のためではなく、信徒たちが寝泊まりする場所となっていた。[sl]
 身廊を中心として左右に並ぶはずだった長椅子は取り払われ、質素な毛布が小山となっていて、点々と血がはねていて。[pg]


[ mes_blind time="500" ]
[ cut_in img="lud_cu_s03_c03_01.png" time="1000"]
[ wait time="1000" ]
[ mes_appear time="500" ]
「悲しむべきことだ」/「死霊という神の摂理に背く無法者から、神の子供を守ることができなかった」[sl]
 少年は陰鬱な顔/女性は楽しそうな笑顔。[pg]


「わたしは、忘れたことがない」[sl]
 クルスが一歩前に出る。[sl][r]

「僕も、お前たちを覚えている」[sl]
 僕はクルスの側に並ぶ。[pg]


「光栄だ」/「歓喜ね」[sl]
「ノエシス」[sl]
「ノエマ!」[sl]
 白いカソック/教会特区の戦士である証明。[sl][r]

 少年と女性は同時に十字を切る/信徒たちが歓喜の祈りを捧げようと跪く。[sl]
 のぞいた肌には水銀色の演算色がうごめく。[sl]
[ mes_blind time="300" ]
[ cut_in img="lud_cu_s01_c04_01b.png" time="300"]
[ wait time="500" ]
[ cut_in img="lud_cu_s01_c04_02b.png" time="300"]
[ wait time="500" ]
[ mes_appear time="300" ]
 ノエシス/ノエマが二人を笑う。[pg]

[ cut_in_clear time="1000"]
[bg_hyojib bgb="bg_black.png"]
[cross_kirikae ms="1000"]


[ jump storage="lud_s04.ks"]